SDGs 大学プロジェクト × Kyoto Univ.

京都大学の紹介

京都大学は、日本の京都市にある国立大学で、1897年に創立された歴史ある大学です。世界中から優秀な学生や研究者を集め、高い教育・研究水準で知られています。特に、理系分野においては、ノーベル賞受賞者を輩出するなど、世界的なレベルの研究成果を上げています。また、日本の伝統文化に触れることができる京都市に位置していることから、日本文化や芸術に関する研究・教育も盛んに行われています。さらに、海外大学との交流や留学制度も充実しており、グローバルな視野を持った人材の育成にも力を注いでいます。京都大学は、その歴史と伝統に根ざした教育・研究活動を通じて、社会の発展に貢献していくことを使命としています。

SDGsに取り組まれたきっかけ

様々なメディアをご覧いただいたとは思いますが、研究テーマは「ごみ」や「環境教育」になります。学生のころから活動してきたのですが、教員になってから、2013年にエコ~るど京大を学生とともに、立ち上げました。当初より環境配慮がメインとなる活動を行っておりましたが、SDGsを意識するようになったきっかけという意味では、入会されてきた学生さんが高校時代にSDGsに取り組まれていたという話からだったと記憶しております。そこから、環境配慮から視野を広げてSDGsに取り組むことになりました。

そもそも、2013年でも様々な活動をしている学生さんたちがいらしたのですが、世界的に環境問題が深刻化している中で、日本の環境活動はあまり活発ではなかったのが問題でした。そこで、環境活動や社会活動に携わっている学生たちに声をかけて、日本でも活動してみようと始めたひとつのプロジェクトが「エコ~るど京大」です。この頃は、2015年9月に採択される持続可能な開発目標(SDGs)という言葉はまだありませんでしたが、今から思えば先取りして取り組んでいたことになりますね。

SDGs施策の内容

必ずしも大学全体で取り組んでいる活動ばかりではありませんが、学生さんが定期的に取り組んでいる活動では、SDGsについて学び考える番組「今日も明日もSDGs!」という企画です。基本的には、30分ぐらいの番組を配信し、SDGsの啓発活動に取り組んでいます。

他にも、持続可能性の危機にある里山や地方部に目を向け、京都にある里山の地域である京北では、村おこしの一環として古民家再生や入居企業の誘致が行われています。SDGsの観点だと、食品ロス削減やプラスチック問題などをテーマとした取り組みも行っております。

▼京都里山SDGsラボについて詳しくはこちら
【公式】ことす - 京都里山SDGsラボ

一流の研究者からみる”SDGS”とは

自身の研究に自信や誇りをもたれた方ほど、冷静かなという印象です。私もそうですが、SDGsという言葉が出回る前から社会課題に関して研究していたので、”SDGs”自体をどこか流行語として捉えられ、今さら色めきたつのかと考えられる先生方もいらっしゃいます。とはいえ、何らかの形でSDGsの研究をされてますし、社会的にもSDGsへの関心が高まっていますので、今後も大学一丸となって社会課題に関して取り組んでいくことになるのだろうと思います。

地域に限らず人を巻き込む施策

京都市立安朱小学校との取組 “わたしたちの安朱 まもり隊”

京都市立安朱小学校との取組みでは、SDGs で生活や地域を見直す教育プログラム〜総合的な学習の時間「わたしたちの安朱 まもり隊」~を支援しました。地域のSDGsについて学習するだけでなく、地域の企業と対話し 児童から提案される企画ではあったのですが、やはり純粋な子どもたちに言われると、こう、弱いものがありますね。関わっているプロジェクトがきっかけで、さらに人を巻き込む機会はあるように感じています。

プラットホーム”京都超SDGsコンソーシアム”

浅利ゼミとSDGsを担当されていた京都市総合企画局と、いまでこそ20社以上参画されてますが 4社の企業からはじまったプロジェクトでした。京都という歴史に裏付けられた持続可能都市において、産学公民が、どのように連携して、現在直面している課題を解決できるか、深く議論でき、実証までできるネットワークを作ろうと始めたものです。最近では、他都市でもプラットホームをみかけるようにはなりましたが、ある程度の参加者が みんなが動いて汗をかいてやってるという意味では、良いモデルケースになると思います。もちろん、人が多いことが正義ではありませんが、多くの人を巻き込むとそれだけ選択肢が広がると思います。そもそも、成功要因はどのようにお考えでしょうか。リアルでお話をしますと、プラットホームに参加されている思惑は異なると思います。企業にとっては、優秀な人材獲得が難しいので 学生と密にお話をする機会が得られますし、自社の若手を様々な業界の方と接点を持つ機会だと捉えられる方もいます。他にも、京都市や京都大学で実施したいアイデアをもたれた方や、それこそ交流がしたいが目的とされる方もいらっしゃいます。学生たちも、就職先というよりかはフラットに参加しています。多種多様な知見を持った方々が集まるので、”気づき”を得る機会として活用している人もいるようです。そういったある程度それぞれの思惑がある中で、うまくマッチングさせて運用ができているところが大きいので、成功したのだと考えています。

▼詳しくはこちら
京都超SDGsコンソーシアム

今後の施策について

SDGs KYOTO TIMESでも告知をしておりますが、3月21日(祝・火)~23日(木)に、「地球環境ユースサミット2023 in KYOTO-持続可能な未来を議論する」を開催します。世界各国の高校生を対象に!ということで準備をしておりますが、コロナの影響でオンライン化が進みました。そのため、世界に繋がるのもすごく簡単になっていると思うので、世界と交流することで京都や日本の良さに気づき、地域の持続可能性を考えられるのだと思っています。世界を知らないことには、本当の意味でSDGsを”自分ごと”にはできないと思います。例えば、貧困や格差だけを切り取っても”自分ごと”化することは難しいと思います。そのための体験を地球環境ユースサミットで少しでも提供できたらと考えています。

▼取材にご協力いただいた浅利 先生の取り組みはこちら
京大をSDGs先進大学に押し上げた、「行動あるのみ!」の精神とは ~京都大学 地球環境学堂 准教授 浅利美鈴先生