SDGs 大学プロジェクト × Seinan Gakuin Univ.

西南学院大学の紹介

西南学院大学は、福岡市早良区にあるキリスト教系の私立大学です。創立者の遺訓”Seinan, Be True to Christ”(西南よ、キリストに忠実なれ)は 建学の精神として受け継がれ、学術文化の向上に寄与するとともに、地域、日本、そして世界に貢献できる教養豊かで深い専門知識と創造性を備えた人材を育成しています。

学部は、神学部、外国語学部、商学部、経済学部、法学部、人間科学部、国際文化学部の7つがあり、学生たちは自分に合った分野で学ぶことができます。また、英語教育や留学制度、実践的な授業など、多様な学びの機会が用意されています。キャンパスは、自然に囲まれた閑静な場所にあり、学生たちは自然とふれあいながら、静かで落ち着いた環境で学びを進めることができます。また、学生生活を充実させるサークルや部活動も盛んで、さまざまな仲間と出会うことができます。

西南学院大学では、卒業後にどのような職業に就くかを考えるだけでなく、自分自身の成長と社会貢献を目指す教育が行われています。将来の夢や目標を実現するために必要な知識やスキルを身につけ、社会に貢献する人材を育成しています。

SDGsに取り組まれたきっかけを教えてください

SDGsの取り組みが広がりを見せる中、本学で行われてきた活動を見直すと、ひとつひとつ、一人ひとりの活動がSDGs達成に向けての一旦を担っていると強く感じられます。それは本学の使命及び目標がSDGsの理念を包摂しているからであり、我々の存在意義の追及がSDGs達成への貢献を意味していると言えます。

本学の使命は「真理の探求及び優れた人格の形成に励み、地域社会及び国際社会に奉仕する創造的な人材を育てる」こと。”Seinan, Be True to Christ”(西南よ、キリストに忠実なれ)という建学の精神のもとに、その使命を具現化するために様々な取組を行ってきました。

例えば、東日本大震災における被災地支援をはじめとしたボランティア、ジェンダー問題など多彩なテーマについて学ぶチャペルアワーなどです。SDGsが示されたことにより、これまで積み重ねてきた活動が持続可能な社会への貢献に結びついていたことに気づかされました。

SDGs施策の内容を教えてください

ボランティアセンター

LIVIKA(島崎):SDGs施策についてお話を伺いたいと思います。まずは、なぜボランティアセンターが設置されたのでしょうか?

土肥 様:学院は社会貢献活動も大切に考えておりますが、教育の一環として学生の人格形成や成長にも寄与すると考え、ボランティアセンターを設置いたしました。

LIVIKA(島崎):そうだったんですね。ボランティアは続けるのが難しいという声も聞きますが、どのようにモチベーションを維持されているのでしょうか?

土肥 様:確かに、ボランティアは継続するのが難しいと思われるかもしれませんが、本学においては、さまざまなテーマや目標を持ち活動している学生ボランティア団体の存在が大きいのかもしれません。人間科学部には、児童教育学科と社会福祉学科という学科があり、そういった学科の教員が顧問となっているボランティアサークルが校内に10団体以上あります。そういった風土をもつ大学だからこそ、学生のうちに取り組んでいきたいことのひとつとして「ボランティア」という選択肢があるのだと思います。

LIVIKA(島崎):「西南学院大学」の学生がボランティアを行う原動力は何だとお考えでしょうか。

土肥 様:はい、西南学院大学は、創立者C.K.ドージャーの遺言「Seinan, Be True to Christ」(西南よ、キリストに忠実なれ)を建学の精神として掲げております。忠実をLife(生命)、Liberty(自由)、Light(光明)、Love(聖愛)と訳し、建学の精神を継承しています。社会を「他人ごと」ではなく、「自分ごと」に感じている人が採る活動の一つが、「ボランティア」であり、理念に共感している人が多く在籍している本学だからこそ、無意識に体現していると考えています。

LIVIKA(島崎):わたしも学生時代、ボランティア団体を運営していましたが、人を集めることに難儀しました。実際、どのように人を集めているのでしょうか?

土肥 様:学内にボランティアサークルが、7〜8ほどあります。その中で、ボランティア代表の方々が一度に集まる機会を作っています。具体的には、年に2回(前期と後期)に説明会を行っています。各団体がどんな活動をしているか紹介し、興味のある人を募集しています。また、広報課メンバーもイベントの告知や説明をして、サポートしています。年度途中でも興味があれば参加できるように、定期的に開催しているからこそ、比較的継続的に人が集まっています。

福岡市との連携

LIVIKA(島崎):西南学院大学は、福岡市からの委託事業である「西南子どもプラザ」を運営されています。児童教育学科が設立されている大学は多数ありますが、なぜ本学は敷地内に「乳幼児親子の交流の場」を設けることになったのでしょうか?

土肥 様:まず、福岡市が子どもプラザに力を入れているという背景があります。福岡市内には14の児童プラザがあり、市としてもそうした土壌があったことが1つの要因でした。

また、西南学院大学は児童教育学科と外国語学部を持っていることと、市との連携実績があったことが理由と思います。外国人材の受入れを支援している福岡市としては、外国人乳幼児親子への対応を期待したのだと思います。福岡市からの委託費を受けて運営していますが、当然 大学からの持ち出しもあります。それでも続ける理由は、学生が子どもプラザに関わることで教育効果があり、地域貢献と教育効果の相乗効果が期待できると考えたからです。

糸島市との連携

LIVIKA(島崎):糸島市との連携プロジェクトをされているそうですが、どのようなプロジェクトでしょうか?

土肥 様:「Itoshima Teens’ English Camp at Seinan」というプロジェクトは、糸島市の中学生を対象に英語教育を充実させることを目的に、毎年秋に開催されます。SDGs(持続可能な開発目標)について学び、英語でプレゼンテーションを行うことで、グローバルな視点や表現力を育成することを目指しています。

LIVIKA(島崎):どのような効果が期待できるのでしょうか?

土肥 様:英語でのプレゼンテーションを通じて、英語力だけでなく、自分の意見を明確に伝える力や、グローバルな視点を身に付けることができます。また、SDGsについて学ぶことで、持続可能な社会の実現について理解を深めることができます。

LIVIKA(島崎):なぜ、このプロジェクトが実施されているのでしょうか?

土肥 様:このプロジェクトは、地域に貢献すると同時に、英語教育の充実を図るために実施されています。糸島市において、英語を学ぶ機会を提供することで、将来、グローバルな社会で活躍できる人材を育成することを糸島市とともに目指しています。

地域企業とのつながり

LIVIKA(島崎):地域企業との共同プロジェクトをご紹介いただけますか?

土肥 様:地場産業やインフラ系企業、銀行など、それぞれの視点からできるSDGsを模索する課外授業を行っております。CSRやSDGsにかかわる企業の実践について、企業担当者からの生の声を聞くことで、企業がCSRやSDGsを推進する意義を学ぶことができますね。受講しても単位にはなりませんが、毎回20人以上の受講生がいます。

今後の展開について

LIVIKA(島崎):他にSDGsに課題だと思われていることはございますか?

土肥 様:環境問題への配慮は、今後も取り組まなければならない課題だと捉えています。理系の学部がある大学は、「カーボンニュートラル」を代表とする環境問題への取り組みがありますが、西南学院大学ができる取り組みを模索したいと考えています。