
引っ越ししたら確定申告はどこに提出すべき?必要な届け出や注意点を解説
引っ越しの繁忙期(2月〜4月)は、ちょうど確定申告の時期でもあります。引っ越しで住所が変わるとき、確定申告書の提出はどこにすればよいのでしょうか?
引っ越しよりも前に確定申告が済ませられればよいのですが、書類がそろうのにも時間がかかるものです。もし、確定申告が終わる前に引っ越さなければならなかったら、旧住所の税務署に提出するのか? 新居のある税務署に提出するのか? 迷いますよね。
- 引っ越ししたら確定申告書の提出先はどこ?
- 住民税の納付先はどこになる?
- 確定申告の住所は旧住所を書くの?
- ほかに必要な届出があるの?
などなど、引っ越しシーズンの確定申告について、詳しく解説します!
目次
引っ越しをしたら確定申告の提出先はどこになるのか
確定申告書の提出先は、「確定申告を行う時点で住んでいる場所を管轄する税務署」になります。
1年間の収入があった地域で提出するのでは、と迷う方もおられるかもしれませんが、「提出時に住んでいる場所で提出する」と考えていただければ大丈夫です。
引っ越したときに、住民票をまだ変更していない場合でも、確定申告書は住民票の住所に合わせる必要はありません。シンプルに「確定申告書はいま住んでいる場所で提出する」と覚えておいてください。
引っ越し先の管轄税務署が旧住所のときと同じ場合
引っ越しして、管轄税務署が変わらない場合は、以前と同じ税務署へ確定申告書を提出します。
ただし、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出」と、個人事業主の方は「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類の提出が必要です。
詳しくは後述しますので、参考にしてください。
引っ越し先の管轄税務署が旧住所と異なる場合
引っ越しをして、管轄の税務署が変更になる場合は、確定申告書は新しくお住まいの管轄税務署へ提出します。
このとき、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出」と、個人事業主の方は「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類の提出が必要になりますので、忘れないように届出をしてください。
詳しくは後述しますので、参考にしてください。
<CHECKポイント>
- 引っ越しをしたら、確定申告書は引っ越し後の住所を管轄する税務署へ提出する
- 住民票上の住所に関係なく、現在居住している住所の所轄税務署へ提出する
- 管轄税務署が変わらなくても、引っ越しをしたら「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出」が必要
引っ越し後に確定申告を提出する人に必要な届出とは

引っ越し後に確定申告を行う人は、確定申告書のほかにも大切な手続きがあることをご存知でしょうか。
それは「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出」というものです。
個人事業主の方は、「個人事業の開業・廃業等届出書」が必要です。
具体的に解説します。
所得税・消費税の納税地の異動に関する届け出
引っ越しをすると、納税地が変わるため、変更手続きが必要になります。この書類は、引っ越し前の所轄税務署へ提出します。引っ越しをしたらすみやかに提出をしましょう。
この書類は、同市内への引っ越しの場合(管轄の税務署が変更しない場合)でも提出が必要です。
<所得税・消費税の納税地の異動に関する届け出>
提出先 | 引っ越し前の所轄税務署検索はこちら:https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm |
提出期限 | 納税地の異動後、遅延なく提出 |
提出方法 | 郵送または窓口へ持参 |
添付書類 | 書面にマイナンバー(個人番号)を記載し、本人確認書類を添付 |
受付時間 | 平日8時半~17時まで |
書類DL | 以下よりダウンロードできます。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/07.pdf |
記入例 | 以下を参照してください。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h29/03_kakikata.pdf |
個人事業の開業・廃業等届出書(個人事業主の方のみ)
個人事業主が引っ越しで事務所を移転した場合には、「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要になります。自宅を事務所にされている方も同様です。
この書類は、同市内への引っ越しの場合(管轄の税務署が変更しない場合)でも提出が必要です。
提出先 | 事務所移転前の所轄税務署検索はこちら:https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm |
提出期限 | 納税地の異動後1月以内(事業の開始等の事実があった日から1月以内) |
提出方法 | 郵送または窓口へ持参 |
添付書類 | 書面にマイナンバー(個人番号)を記載し、本人確認書類を添付 |
受付時間 | 平日8時半~17時まで |
書類DL | 以下よりダウンロードできます。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf |
記入例 | 以下を参照してください。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h29/01_kakikata.pdf |
確定申告の提出方法は?
確定申告書の提出方法は、3通りの方法があります。提出はe-Taxが便利でおすすめです。
ご自分の都合に合わせて、提出方法を選んでください。
e-Taxで提出する
確定申告書の提出は、便利なe-Taxがおすすめです!
e-Taxは、国税庁のシステムで、インターネットを使用して国税に関する申告や納税、申請などの手続きができるシステムです。税務署にわざわざ行かなくても、パソコンを使って書類の作成ができるのでとても便利です。
画面の指示に従って、金額を入力していくだけ。作成した申告書等は、e-Taxでオンラインにて提出ができます。
e-Taxにはマイナンバーカードが必要
e-Taxでの申請書提出には、マイナンバーカードが必要です。引っ越しのときにマイナンバーカードの住所変更手続きは完了していますか?
マイナンバーカードの住所変更ができていないと、マイナンバーカードを使用した各種行政サービスの利用が停止されてしまいます。そうなると、e-Taxでもマイナンバーカードを利用した手続きができなくなります。
引っ越しをしたら、マイナンバーカードの住所変更手続きをただちに行いましょう。
また、マイナンバーを読み取るためのカードリーダー、もしくは読み取りに対応したスマートフォンが必要です。
▼引っ越し時のマイナンバーカードの手続きについてはこちら 引っ越したらマイナンバーカードの住所変更手続きを!流れや注意点を解説
マイナンバーカードを使用せずに提出するには
e-Taxでは、マイナンバーカードを使用せず、確定申告書の提出をすることも可能です。あらかじめ税務署に申請し、IDとパスワードを取得すれば、ID・パスワード方式にて提出ができます。
管轄の税務署の受付へ提出する
提出時にお住まいの管轄税務署に、直接持参する方法で提出できます。確定申告の繁忙期には窓口が込み合うため、時間に余裕をもって行きましょう。繁忙期には日曜日にも開庁しているときがありますので、管轄の税務署に確認してください。
窓口へ提出するメリットとしては、直接わからない点を質問できることです。
郵送で提出する
確定申告書は郵送での送付も可能です。必要書類を記入し、提出時にお住まいの管轄税務署あてに送付します。このとき、封筒には朱書きで「所得税確定申告書在中」と記載します。定形郵便で送付できますが、レターパックや簡易書留なら安心です。
<CHECKポイント>
- 確定申告の提出方法は、e-Tax・郵送・税務署窓口の3通り
- e-Taxでは住所変更済みのマイナンバーカードが必要
- 確定申告書は提出時にお住まいの管轄税務署へ提出する

引っ越し後の確定申告で気を付けること
引っ越し後の確定申告で気を付けることは以下の6つです。
- 届け出は引っ越し前に提出しておく
- 確定申告の住所欄は2か所記入する
- 住民税は1月1日時点の所在地の自治体に収める
- 引っ越し後の確定申告のふるさと納税について
- ワンステップ特例制度を利用している方は手続きが必要
- 返礼品を受け取る前に引っ越した場合は自治体に連絡を
詳しく解説していきます。
届け出は引っ越し前に提出しておく
確定申告書は、引っ越し前の住所を管轄する税務署に提出が必要です。
<必要書類>
- 所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
税務署に郵送で書類を提出することも出来ますが、不備があった場合の訂正は大変です。確定申告書は、引っ越し前に提出しておきましょう。
確定申告の住所欄は2か所記入する

確定申告書には、住所記入欄が2カ所あります。
いつの時点での住所を記入すればよいか、迷う部分かと思います。
赤枠の「住所」には、確定申告書を提出する時点での住所を記入します。
青枠の「令和〇年1月1日の住所」には、確定申告をする年度の翌年1月1日に住んでいた住所を記入します。
このように、確定申告書には、提出時の住所を記載できるようになっています。
記入例:令和3年度の確定申告で、令和4年2月1日に引っ越しをしたとき 「住所」→ 現在の住所(新居)を記入「令和〇年1月1日の住所」→ 令和の部分に「4」を記入し、旧住所を記入 |
住民税は1月1日時点の所在地の自治体に収める
住民税はその年の1月1日時点の所在地に納めます。
年度の途中で引っ越した場合、引っ越し先に納付書が届くので、それを使用して納税をしましょう。
住民税とは、都道府県民税と市町村民税を合わせたもので、居住している自治体に納付する税金のことをいいます。住民税の納税先は、翌年以降に自動的に変わるため、確定申告時に手続きすることは何もありません。
役所で住民票を転出・転入届けを提出することで、納税先も自動的に変更されます。
確定申告時に手続きすることは特にありませんが、住民税は1月1日時点の住所地の自治体に納めることになる点は、覚えておきたいポイントです。
引っ越し後の確定申告のふるさと納税について
確定申告をする個人事業主の場合は、ふるさと納税をした後に引っ越ししても、ふるさと納税に関しての手続きは必要ありません。
ただ、ワンステップ特例制度を利用している方は手続きが必要です。以下で詳しく説明していきます。
ワンステップ特例制度を利用している方は手続きが必要
ワンステップ特例制度を利用している方は、翌年の1月10日までに「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」を寄付先の自治体に提出する必要があります。
必要な申請書は、ふるさと納税ポータルサイトや各自治体の公式サイトからダウンロードできます。
ワンストップ特例制度とは、1年間に寄附した自治体が5自治体以内であれば、確定申告が不要になる制度です。ワンステップ特例制度を利用した方は、早めに手続きしておきましょう。
返礼品を受け取る前に引っ越した場合は自治体に連絡を
返礼品を受け取る前に引っ越した場合は自治体に連絡が必要です。
ふるさと納税の寄附を行なった後、返礼品を受け取る前に引っ越しをした場合には、返礼品が前の住所に届いてしまいます。寄付後に商品が届くまで時間がある場合は、ふるさと納税サイトの住所変更のみで対応できる場合もありますが、原則寄付した市区町村に直接問い合わせが必要です。
自治体の電話番号やメールアドレスは自治体の公式サイトなどに記載されています。
引っ越ししたときの確定申告についてよくある質問
引っ越時の確定申告について、よくある質問をまとめました。
引っ越し前に確定申告した場合は?
引っ越し前に確定申告書の提出はもちろん可能です。
引っ越し後に、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出」・「個人事業の開業・廃業等届出書(個人事業主の方)」を提出しておきましょう。
郵便局へ転居届を提出しておくと、旧居あての郵便物が転送されますので、大切な書類が行き違いで旧居へ届いても安心です。ぜひ利用したいサービスです。
会社員で同市内に引っ越しした場合でも申告が必要?
会社員で給与所得のある方で、事業主としての収入ではない一時的な収入を得た場合には、特に手続きは必要ありません。
住民票と実際の居住地が異なる場合は?
何らかの事情で住民票と実際の居住地が異なる場合でも、確定申告書は現在の居住地を記載していただき、提出はお住まいの管轄税務署へしていただければ大丈夫です。
以前は住民票のある管轄税務署へ提出していた方で、居住地が変わった場合には、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出」を提出しておきましょう。
個人事業主の方が納税地を変更する場合には、「個人事業の開業・廃業等届出書」が必要です。
旧住所に確定申告書が郵送されたが、旧住所で届け出る必要があるか
確定申告書が郵送された場所に関わらず、「現在お住まいの居住地にある管轄税務署」へ提出をしましょう。
医療費控除は、旧住所と新住所で病院にかかっていても、合算できるか
医療費控除は全国どこの病院を受診しても、問題なく合算が可能です。引っ越し前、引っ越し後と分ける必要もありません。
提出先は、提出時にお住まいの管轄税務署へ提出してください。
確定申告後、すぐに住民票の転出届を提出しても問題ないか
確定申告書は住民票記載の住所ではなく、提出時にお住まいの管轄税務署へ提出すれば大丈夫なので、住民票の提出時期を悩む必要はありません。
住民票の転出届は、確定申告前でも後でも、タイミングはいつでも可能です。
ただし住民票の移動は、期限が定められています。転出届は引っ越しの14日前、転入届は引っ越し後14日以内に提出しましょう。
「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出し忘れた
提出忘れに気づいたら、ただちに旧住所の管轄税務署の窓口に提出をしてください。郵送でも提出が可能です。提出を忘れていても、罰則などはありません。
▼引っ越し時の住民票の手続きについてはこちら 【住所変更手続きリスト付き】引っ越したら住民票の手続きを!変更しないデメリットも解説

引っ越し時のライフライン手続きはでんきガス.netを利用する
今回の記事では、引っ越し時期に確定申告が重なったときの対処方法や疑問についてまとめました。
引っ越しと確定申告の時期が重なると、どのタイミングで提出するべきか迷いますよね。引っ越し前に提出できればそれがベストですが、引っ越し後でも問題なく提出できますので安心してください。
引っ越ししたら確定申告書の提出先は、提出時にお住まいの管轄税務署へ提出します。他にも「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出」、個人事業主の方は「個人事業の開業・廃業等届出書」も提出し忘れのないようにしてください。
確定申告の提出は、e-Taxがおすすめです。e-Taxではマイナンバーカードを使用しますので、マイナンバーカードの住所変更も忘れずに行ってくださいね。
また、電気やガスなどの手続きはもうされましたか?
面倒な電気やガス・インターネットの手続きにはでんきガス.net(0120-911-653)がおすすめです。でんきガス.netは、ライフライン手続きを一括手配できるので、手続きが電話一本で完了します。引越しの負担を軽くしたい方はぜひ利用してみてくださいね。
受付窓口 | でんきガス.net |
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電話番号 | 0120-911-653 |
受付時間 | 8:00~20:45(年末年始を除く)
※Web受付は24時間受付 |
▼でんきガス.netについてはこちら でんきガス.netとは?電気やガスの面倒な手続きを無料手配してくれるって本当?