SDGs 大学プロジェクト × Meiji Pharmaceutical Univ.

明治薬科大学の紹介

明治薬科大学は、6年制の薬学科と4年制の生命創薬科学科の2つの学科を併設しており、医療薬学の実践的な教育から創薬研究まで広範な分野をカバーする薬科大学です。

薬学科の教育目標は、医療技術の向上や医薬分業の進展などに応じて、安全な医薬品の使用を含む社会的要求に応える質の高い薬剤師を育成することです。基礎から始まり、コミュニケーション能力の向上、実習病院での実践などを通じて、6年間のカリキュラムを通じて、将来の医療の担い手としての薬剤師を育てます。特に薬学科の特徴として、5年次には薬剤師国家試験受験資格の要件である22週間の病院と薬局での実務実習に加えて、本学独自の学生各自の進路に合わせて選べる「7つの特別実習カリキュラム」を提供しています。

生命創薬科学科の教育目標は、生命科学と創薬化学の堅実な基礎学力と研究能力を養い、問題の発見と解決が可能な人材を育てることです。質の高い教員陣と充実した研究施設を有し、幅広い教育カリキュラムを提供しています。また、生命創薬科学科では、学部在学中から大学院との連携プログラムを設け、スムーズな大学院進学をサポートしています。

SDGsに取り組んだきっかけ

以前からSDGsに関する取り組みは行っておりましたが、理事会からの提案を受け、昨年度の学内活動を整理しました。これにより、無自覚に行っていた活動でも、SDGsと関連付けられる側面が多くあることに気付き、より意識的にSDGsを取り入れることができるようになりました。

SDGsの施策の内容

当大学が実施しているSDGsに関する取り組みが大学の公式ホームページ上で視覚的に確認できます。個別の教員が独自に取り組んでいる内容だけでなく、省エネなど大学全体として取り組んでいることもあり、17のターゲットのどの項目に関係するのかも、番号やロゴを貼ることによってわかりやすくしています。

科学の研究は、研究者自身の純粋な興味や好奇心に基づいて行われますが、最近では研究結果を応用した社会経済活動が地球温暖化を進行させている場合もあるとの認識が広まっています。そのため、科学研究を単なる好奇心に従って行動するだけでなく、SDGsの17のターゲットにも配慮しながら活動を進めているところです。

新型コロナワクチン接種ボランティア

日本社会福祉事業大学と自由学園と共同して、学生、教職員、パート職員など大学に関係する方々とその家族を対象として新型コロナワクチンの職域接種を行いました。

大学の教職員が協力して会場の設営を行い、本学は薬学校で教員も薬剤師の資格を持っているということもあり、ワクチン調整も本学教員からボランティアを募りました。この活動を機に、更に近隣の日本社会福祉事業大学や自由学園の生徒にも接種を行うことが実現しています。

清瀬子ども大学

清瀬市教育委員会と共催で、地域貢献事業の一環として小学生の希望者を集めて子ども大学の事業を行っています。去年は、蚕を使った実験をしました。蚕と哺乳類は基本的な生命構造は共通しているので、共通点をうまく利用して血糖値を下げる薬を蚕を通じて試す実験を行いました。

子ども向けイベント

本学には自前の薬学資料館があるので、そこで薬剤師の体験や蚕について考えるイベントを行ったり、大学の通学路にあるセブンイレブンでゴミを集める地域貢献のボランティア活動をしたり、そのほかにも子ども食堂ネットワークなど、多様な子ども向けのイベント活動を行っています。

地域枠選抜制度

今年の入学者から、地域枠入試制度を作りました。薬学部の設置されていない都道府県は14県ありますが、これらの県では薬剤師不足が深刻だということが厚生労働省の調査で明らかになっています。そこで、本学では大学共通テストの成績を利用して入試する学生のうち、上記14県の在住者で卒業後9年間にわたり出身県で就職することを表明した学生を対象として授業料相当額の学費を6年間支給する奨学金制度を給付する制度を本学独自で創設しました。

本学は創学121年目と伝統があり、地方出身の卒業生も多数おります。同窓会組織も全国の102支部に3万人ほど所属していることから薬剤師不足に対しての大学が独自の貢献をして欲しいとする意見を同窓会会員からもらうことがありました。初年度である今年は43人の応募があり10名が入学しました。また、最近は同じような動きが少数ではありますが他大学でも始まっています。

その他の施策

防衛医科大学校とは包括的教育協定を結んで、多職種連携教育を行っています。
地域貢献の面では、本学独自の取り組みとして高齢者を中心とした地域の高齢者を対象として公開講座を行ったり、清瀬市主催の健康大学講演会に教員を派遣したりしています。
SDGsの情報の集約や推進は法人の広報委員会と大学の大学広報委員会で連携して進めています。

SDGs施策と学生とのつながり

意識的にSDGs施策を始めたのが去年ということもあり、まだ学生が主体で活動することはありませんが大学の学生ボランティア団体の活動の一部もSDGsに紐づけられています。今年の5月にコロナが5類になったので、学園祭も対面の集合形式でできるようになり、活動が活発になることを期待しています。

今後の施策

大学ですので個々の教員の研究も大切ですが、地域あっての大学です。本学では今後益々地域貢献を行っていきたいと思っています。

子ども大学の事業も、地域貢献の一環として教育委員会と共催で行っており、軌道に乗ってきました。資料館の子供向けイベントも、形を変えながらいまも続いており、人数も増えてきています。本学のような資料館を持っている大学は珍しく、貴重な資料館を活かしながら、引き続きこれらの活動を続けていきたいと思っています。

また、将来的には、看護学校などがある日本社会事業大学のような福祉関係の大学と連携を強くしていきたいと考えています。

高校生へのメッセージ

明治薬科大学には、6年制で薬剤師を目指す学科と、4年制で研究者や技術者を目指す学科の2つの学科があります。いずれも健康科学に関係した勉強をする学科で、薬剤師の資格を取って地域に貢献したり、新薬の開発者になる学生がたくさん集まっています。

病気がないのが健康ではなく、WHOの考え方であるウェルビーイングを支えていく職業を作る大学なので、健康に興味のある学生さんに来ていただきたいです。