
SDGs 大学プロジェクト × Rakuno Gakuen Univ.
目次
酪農学園大学の紹介


酪農学園大学は、食・農・環境・生命を総合的に追求する、高校生の皆さんにぴったりの素晴らしい学びの場です。酪農学園大学では、2つの学群と5つの学類からなる多彩なカリキュラムが展開されています。
農食環境学群には、循環農学類、食と健康学類、環境共生学類という3つの学類があり、食の生産から健康への関連性、そして持続可能な環境共生を学ぶことができます。また、獣医学群には、獣医学類、獣医保健看護学類の2つの学類があり、動物の健康と福祉に関する知識を深めることができます。
酪農学園大学では、卓越した教授陣が指導にあたり、実践的なカリキュラムや研究によって学生たちの成長を支援します。また、先進的な設備や研究施設を完備し、学生たちが理論と実践を結びつけながら学べる環境を提供しています。
さまざまな専門領域をカバーする学群・学類の選択肢は、将来の進路に対する幅広い選択肢を生み出します。食品産業、農業、環境保護、獣医医療など、様々な分野で活躍したいと考える高校生の皆さんにとって、酪農学園大学は豊かな知識と経験を積むための最適な場所です。
ぜひ、酪農学園大学のキャンパスを訪れ、私たちの情熱と学びの環境を体感してください。未来を担う皆さんと共に、食・農・環境・生命に関する知識と理解を深め、持続可能な社会の実現に向けて共に歩んでいけることを楽しみにしています。
SDGsに取り組まれたきっかけ

酪農学園大学は、創設者である黒澤酉蔵の「三愛主義」と「健土健民」の思想に根差した、90年の歴史を誇る高等教育機関です。これらの思想は、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」と多くの共通点を持っています。
SDGsは、経済・社会・環境の達成目標が設定されておりますが、酪農学園大学の「三愛主義」は特に「人を愛し」「土を愛す」の部分がSDGsと重なります。
人々と国々の不平等をなくし、目標を共に達成するためのパートナーシップを育み、飢餓をゼロにし、すべての人々に健康と福祉を提供することに寄与することが、大学としての責任だと考えています。
また、「健土健民」は、”健やかな土から産み出される健やかな食物によって、健やかな生命が育まれる”という思想です。これは、SDGs目標である「2. 飢餓をゼロに」や「3. すべての人に健康と福祉を」を目指すSDGsと合致しています。さらに、持続可能性に焦点をあてると、酪農学園大学の提唱する「循環農法」は、持続可能な農業の実現に向けた取り組みであり、「12. つくる責任つかう責任」に一致しています。
高等教育機関として、酪農学園大学では多岐にわたる研究が進められており、それらの成果が持続可能性に貢献しています。私たちの教育内容や研究は、SDGsの考え方と多くの共通点を持っており、大学としてSDGsの達成に寄与している自負があります。
SDGs施策の内容
この章では、地域との取り組みについて紹介いたします。
北海道コカ・コーラボトリング株式会社との3つの取り組み
2021年7月16日より、酪農学園は北海道コカ・コーラボトリング株式会社と協定を締結し、持続可能な社会を実現するための取り組みを一緒に進めています。
具体的な活動は、PETボトルリサイクルや茶粕(ちゃかす)のエコフィード化に関する研究、災害時の支援など、さまざまな分野にわたっています。
PETボトルリサイクル

これまで、使い終わったPETボトルを、ラベルやキャップがついたまま捨て、焼却処理をしていました。しかし、日本では熱回収をリサイクルの一つと考えているものの、世界的には認められていない方法です。
そこで、学内で使われたPETボトルをすべてリサイクルする「B to B(ボトル・トゥ・ボトル)リサイクル」の取り組みをはじめました。このプロジェクトは、捨てられたPETボトルを再びボトルとして使えるようにする取り組みです。これまでに約12万本のPETボトルを回収し、再びリサイクルしています。
私たちの目標は、地球環境への負荷を軽減し、持続可能な未来を築くことです。
–プロジェクトがはじまったきっかけとは?
このプロジェクトは、大学に自動販売機を設置したいという別部署からコカ・コーラ社への問い合わせが発端となりました。その後、SDGsの観点から何か連携ができることがないかと模索したところ、3本の柱で連携することになりました。プラスチックごみの増加や海洋プラスチックの問題がますます課題になっている中で、私たちは廃棄物を減らす方法を考える必要がありました。
そこで、北海道コカ・コーラボトリング社がPETボトルのリサイクルを推進しているとの情報を得て、大学全体でこの取り組みを進めることにしました。
–このプロジェクトは、どのような方々が参加されていますか?
ペットボトルリサイクルに関わる作業は、私たち職員が行っていますが、最近ではSDGsに興味を持つ学生たちも少しずつ増えてきています。そこで、現在は学生たちと一緒にチームを組む取り組みを進めています。
これからは、学生たちが主体的に、自分たちが出したごみをどのようにリサイクルしているのかを知ってもらうことも含めて、学生主体の活動が増えていく予定です。私たちは学生たちの活動をサポートし、彼らが進む方向に沿ってサポートをしていく考えです。
–学生の勧誘はどのように行われていますか?
実は、今年から新しい取り組みが始まりました。草野河畔林トラスト財団が主催された「しのつ河畔林の自然を守るボランティア」ですが、実に35名もの学生が参加しました。このボランティアに参加された意欲の高い学生に声をかけているのが現状です。
茶粕のエコフィード化
日本では飼料の自給率が長年低迷しており、濃厚飼料については海外からの輸入に依存しています。
また、近年輸入飼料が高騰してきていることから、日本の農業経営は大変不安定な状況です。この状況を打破するには日本の飼料自給率を向上させなくてはなりません。
そこで、北海道コカ・コーラボトリング株式会社では、お茶製品を作る際に発生する副産物の「茶粕」をエコフィードとして牛に与えることができないか研究を始めました。
災害時支援
キャンパス内へ防災対応自動販売機を設置することで災害時に飲料を無償でご提供いただくこととなりました。また、備蓄水のローリングストックを開始し、備蓄水を無駄にすることのないよう運用しています。
SDGsと学生とのつながりについて
この章では、学生主体のSDGsの取り組みについて紹介いたします。
学生有志グループ「ecoArk」(エコアーク)
学生有志グループ「ecoArk」(エコアーク)は、札幌市円山動物園を拠点にして、子どもたちへの環境教育を目的としたクイズスタンプラリーなどを実施しています。
この団体は、子どもたちだけでなく、来場した人々全般に向けて、自然環境や野生動物の保護について啓発活動を行っています。クイズスタンプラリーを通じて楽しみながら学ぶことができるので、多くの人々が参加しています。さらに、学校や地域のイベントにも協力し、環境問題への理解を深める機会を提供しています。
今後の施策
ただ単に”SDGs”を実施するのではなく、活動を通して何に気づき、現状をどう改善できるのかを学ぶことが重要だと考えています。通常の教科書の勉強だけでなく、そうした経験から得た知識や気づき、そして改善策を見つけ出す論理的な思考を養うことを目指しています。大学での学びは、知識だけでなくメンタル面の成長も含めて考慮していきたいと個人的に考えています。
また、これまでの取り組みから、自分たち(社会連携センター)だけでなく外部との連携も重要だと気づきました。特に活動を通じて多くの人々と関わり、新たな取り組みが生まれました。これからも活動を大切にしつつ、さらなる進化を図ります。
また、異なる団体との交流を通じて、地域内外での連携を強化し、より大きな力を発揮することを考えています。2030年までに持続可能な社会へ向けてどれだけ貢献できるか、しっかりと考えた上で、これからも取り組んでまいります。