社会貢献活動 × Osaka University of Tourism.

大阪観光大学の紹介

本学は「観光人材になりたい方」「地域やまちづくりに関わりたい方」「国際交流を楽しみ語学を磨きたい方」におすすめの大学です。

「楽しむ力」と「生きぬく力」を備えた市民の養成を教育目標としており、教職員全員で皆さんの学生生活をバックアップします!

熊取フードバンクプロジェクトの概要

今回の取材では、大阪観光大学が参加されている熊取フードバンクプロジェクトについて学生課の嶋岡さんにお話を伺いました。

生活困窮者に向けて食料品等を提供

–熊取フードバンクプロジェクトについて教えてください。

コロナ禍で生活が困窮している方に向けて、野菜・米・レトルト食品・缶詰などの食料品、衣類・玩具などの日用品を無料で提供するために、2021年6月に設立されたプロジェクトです。熊取町民の方はもちろん、熊取町以外の市区町村も対象としています。当プロジェクトの運営者は学外の方で、熊取町在住で、以前から1食100円や無料で食事の提供を行う子ども食堂の運営にも携わっていらっしゃいます。

熊取フードバンクプロジェクトに参加した経緯

大阪観光大学では第1回目の開催から熊取フードバンクプロジェクトに参加しています。どのような経緯で参加に至ったのかお伺いしました。

支援をしながら社会経験も積める

–熊取フードバンクプロジェクトに参加されるようになったきっかけを教えてください。

本学の職員が関係者と知り合いだったこともあり、熊取フードバンクプロジェクトを始めるタイミングで本学にご連絡をいただきました。困っている人の助けにもなりますし、学生たちが社会経験を積むことができ、地域交流もできると思い、第1回目から参加しています。

学生自ら手を挙げて積極的に参加

–どのような学生が参加されているのですか?

最初は大学内で公募を行い、熊取フードバンクプロジェクトに関心のある学生に参加いただいていました。

1回、2回と回数を重ねるに連れて本学のクラブ団体から、「ぜひ私たちの団体にボランティアの情報を教えて欲しい」「積極的に連絡してほしい」という声をいただくようになりました。そのため、現在は公募をやめて、クラブ団体へ案内を行い参加いただいています。

現在参加いただいているのは、「ベトナム人留学生会」「インターナショナル混声合唱団」の2団体です。ベトナム人留学生会は全員がベトナム人留学生の団体で、インターナショナル混声合唱団は日本人が1人、他10名以上が留学生の団体になります。

現状の課題

ここでは熊取フードバンクプロジェクトへの参加において、現状感じている課題についてお伺いしました。

留学生と日本人で異なる”積極性”

–現在は留学生の方が中心となり熊取フードバンクプロジェクトへ参加されているとのお話でしたが、日本人学生の参加者が少ないことは1つの課題となっているのでしょうか?

ボランティア参加の学生が外国人留学生だけになっていることは、現状の課題です。

ベトナム人留学生の中には母国でもボランティア活動をされている方もいらっしゃいますし、そういった背景もあって留学生は積極的に参加してくれています。しかし、留学生は春休みや夏休みといった長期休暇の時には母国へ帰ってしまうことも多く、ボランティア活動も含めて課外活動が止まってしまうのは少し残念な部分もあります。一方で、コロナ禍で3年、4年と母国に帰れなかった留学生を見ているので、母国に帰りたい気持ちも十分理解しています。

日本人学生に関しても声をかけると興味を示してくれることもありますし、こちらから背中を押してあげると参加に繋がることもあります。ただ、熊取フードバンクプロジェクトに限らずイングリッシュスピーチコンテストなど大学内の他の活動を見ていても、日本人と留学生では積極性の部分で少し違いがあるように感じます。

学生を巻き込むために意識していること

この章では学生に熊取フードバンクプロジェクトのような取り組みに参加してもらうために、大学として意識していることをお伺いしました。

学生の自主性を尊重

–参加者を増やすために、どのようなことを意識されているのでしょうか?

まずは声をかけてみて、興味を示してくれた学生にはさらに詳しく話をしています。ただし、あくまでも学生が自主的にボランティア参加してくれる事を意識しているので、無理に参加を促すことはありません。

名乗り出てくれた団体に関しては、熊取フードバンクプロジェクト以外のボランティアに関して案内を行うこともあります。

身近なところから参加の輪を広げていきたい

–日本人学生の参加者を増やしたいとのお話もありましたが、今後取り組んでいこうと考えていることはありますか?

例えば、留学生と日本人が一緒に行っているような団体に声をかけることは、友達の輪を通して参加につながりやすいのではないかと考えています。現在参加してくれている2団体以外の学友会という団体は日本人学生が多く、さらに課外活動に興味を示してくれる学生もいるので、このようなところから声をかけてみて、興味持ってくれる学生を見つけていけたらと思います。

全体に発信しても活動に関心のある人とつながるのは難しいのが現状で、友達などを通して近しいところから徐々に参加の輪を広げていくのがいいかなと感じています。

学生や大学の変化

この章では熊取フードバンクプロジェクトへ参加したことで、どのような変化があったのかお伺いしました。

大学の認知が拡大

–熊取フードバンクプロジェクトへ参加したことで、生まれた変化があれば教えてください。

大阪観光大学の存在や学生、特に留学生がボランティアとして参加していることを、地域の方や熊取フードバンクプロジェクトのスタッフ、来場者に知っていただけるのは非常に大きな変化だと思います。

本学は、全学年合わせて約800名の比較的小規模な大学です。その分教職員と学生との距離が近いのは強みですが、熊取町の他の大学に比べると学生数も桁違いで絶対数が少ない分、存在感や地域との接点も少ない部分がありました。

そのなかで、地元のイベントへのボランティアの参加などを通して、つながるきっかけを作ることができました。大阪観光大学に入学すれば留学生と日々接したり語学の勉強や国際交流ができたりするということを、特に中学生や高校生のお子さんがいらっしゃる方に知っていただける機会となっているのは大きな変化だと考えています。

生活困窮者の存在を実感

–熊取フードバンクプロジェクトを通して地域の方と交流をする中で、嶋岡さんが気づかれたことや発見はありましたか?

実際に熊取フードバンクプロジェクトが開催されて、それほど広い会場ではなかったのですが、約100名とたくさんの方が来場されました。生活に困っている方が、身近にいることを知ることができたのは非常に大きな発見です。

日本の子供の6〜7人に1人は相対的貧困と言われていますが、日々生活のなかで目に見えて生活に困っている人がいることはわかりにくい部分もあります。そのなかで、生活に困っている方が身近にいることを知ることができたのは、大きな気づきとなりました。

今後の展望

この章では、今後の展望をお話しいただきました。

地元に愛される大学として活動を推進

–最後に今後の展望を教えてください。

今後も熊取フードバンクプロジェクトに継続して参加し、大学職員として学生の参加を支援していきたいと思います。そして、熊取フードバンクプロジェクトでのつながりを広げて、本学の広報活動や大学の10の約束にもあるように地元に愛される大学としての活動を進めていきたいです。

参加学生だけでなく周りにいる学生にも波及して、社会貢献や地域交流、国際交流といった視点においても学びを得て経験を積み、社会に出てからも役立つ活動になっていけるように今後もより一層の支援をしていきたいと思います。