
SDGs 大学プロジェクト × Nagoya University of Commerce & Business.
目次
名古屋商科大学の特徴と魅力について
名古屋商科大学は、日本の中部地方にある私立大学で、ビジネスを中心とした教育を提供しています。1953年に創立され、長い歴史を持ち、常に社会のニーズに応える教育を追求してきました。
名古屋商科大学では、学生の能力を最大限に引き出すために、豊富な授業外活動やインターンシップ、留学プログラムなどの機会を提供しています。また、専門分野の深い知識だけでなく、広い視野を持ち、問題解決能力やチームワークなど、実践的なスキルを身につけることができます。
名古屋商科大学の学部には、経営学部、経済学部、商学部、国際学部、経営管理課程があり、それぞれの学部で専門的な知識やスキルを学ぶことができます。
名古屋商科大学は、学生一人ひとりを大切にし、自己実現に向けたサポートを行っています。卒業後は、さまざまな業界で活躍する卒業生が多く、実践的な教育と幅広い就職先が魅力の一つです。
SDGsに取り組む背景と取り組みの始まりについて

Interviewer: どうして、貴学はSDGsに取り組むことになったのですか?
磯野 教授: 本学は、国際ボランティアの学生派遣に力を入れており、コロナの影響で調査が難しい期間はありましたが 過去10年に渡り全国1位を誇ります。そこで、学生たちの中には、自分たちが住んでいる町や地域に貢献したいという気持ちが高まり、国際ボランティアとSDGsサークルは異なる質を持つということに気づきました。そのため、SDGsサークルを立ち上げることになりました。
SDGsという枠組みが注目されるようになった時期でもあったため、社会的な流れもありました。そして、2021年7月にSDGsサークルが設立されました。
ただし、私たちの大学は名古屋市にある附属校であり、名古屋国際高等学校という系列校があるため、SDGsサークルの設立はその前から行われていました。実績があり、メディアにも取り上げられた名古屋国際高校との共催で、SDGsサークルの設立シンポジウムが開催されました。
Interviewer: 大学内でSDGsサークル立ち上げの機運が高まったと聞きましたが、それは高校でSDGsサークルを活動していた学生が大学に進学したためでしょうか?
磯野 教授: はい、その通りです。部長は名古屋国際高校出身です。当時、SDGsに関心を持っており、既に活動していたそうです。ただ、サークルを立ち上げるには一人ではできないこともありますし、社会的な要因も重要だったと思います。
Interviewer: なるほど。SDGsについては、以前はあまり注目されていなかったということですか?
磯野 教授: そうです。数年前からSDGsが注目されるようになり、ボランティア活動とは異なる視点が求められるようになったと思います。そのような社会情勢の中で、サークルが立ち上がったタイミングも重要だったのかもしれません。こちらについては、設立部長(以下旧部長)よりご紹介いたします。
SDGsに関心を持った動機とその重要性について

Interviewer: 旧部長、お忙しい中ありがとうございます。SDGsサークルを立ち上げた経緯について教えてください。なぜ、SDGsに興味を持ったのですか?
旧部長:元々フェアトレードに興味を持っていたことがきっかけで、SDGsにも興味を持つようになりました。高校の時に先生からSDGsの部活があることを知り、そこから関心を持ち始めました。大学に入ってからは、SDGsサークルが存在しないことを知り、自分で作ろうと思いました。
Interviewer: なるほど、素晴らしい行動力ですね。SDGsサークルを立ち上げるにあたって、人を集めることは課題だったと思いますが、どのように集めたのですか?
旧部長:当初、大学内での人集めはあまりうまくいかなかったので、まずは大学の説明会やセミナーを開いていただいて、高校のSDGs未来倶楽部と合同で参加者を募りました。また、新型コロナウイルスの影響もあって、人が集まりにくかった時期でもありました。
Interviewer: なるほど、高校との合同セミナーを開くことで参加者を集めたんですね。当時、SDGsに関心を持っている人は多かったですか?
旧部長:はい、高校のSDGsの部活に参加していた人たちはもちろん、大学内でもSDGsに関心を持っている人が多く参加してくれました。ただ、最初はあまり知られていなかったので、参加者を集めるのに苦労しました。しかし、今では多くの人がSDGsに興味を持っているように感じます。
ボランティアとSDGsの違いとは?
Interviewer: なるほど。磯野 教授がお話をされていたボランティアとSDGsの違いについてお聞きしたいです。ボランティアは、緊急時に現場で助けることが主な役割ですよね。例えば、震災支援などが挙げられると思いますが、どう違ってくるのでしょうか。
磯野 教授: そうですね。SDGsは17の目標が明確に設定されており、持続可能な未来を実現するための具体的なフレームワークがあります。SDGsでは、短期的な目標を達成するために具体的な活動を行いながら、中長期的な視点を持ち、持続可能な社会を実現するために取り組みます。このように、SDGsとボランティアは、目的や活動の観点から見ると異なる部分があると言えます。
SDGs施策の内容と取り組みの詳細
Interviewer: まず、SDGサークルの活動について教えていただけますか?
旧部長:はい、大学のSDGサークルでは、大きく分けて2つの清掃活動を行っております。
大学周辺の清掃活動

1つめは、大学周辺の清掃活動になります。ごみのポイ捨てについて、市と連携して住みやすい町作りを目指しています。具体的には、市よりゴミ袋をご提供いただき、自分たちの手でゴミ拾いを実施しました。
常滑りんくうビーチのビーチクリーン活動


2つめは、常滑りんくうビーチのビーチクリーン活動になります。ただ、清掃活動に着手するだけではなく、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」に特化した活動にもなりますので、こちらについては現部長(以下、新部長)よりご紹介します。
新部長:ビーチクリーン活動とSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」に特化した活動に触れる前に、そもそものきっかけをご紹介します。以前、サークル内でミーティングを行う機会を増やすことを目的として、泊まりがけの合宿を行いました。竹島海岸で潮干狩りをしたのですが、その際にごみの多さに圧倒されました。もともと、きれい好きな性格なので、サークルの仲間に相談したところ、ビーチクリーン活動が実現しました。
ビーチクリーン活動で回収したごみ(マイクロプラスチック)を、環境負荷が少ない方法で灰に変え、ガーデニング用品で使う「ハイドロボール」にする試みを、有限会社カツミ工業と行っています。


また、毎年10月に愛知県国際展示場で開催されるSDGs AICHI EXPOという展示会にも参加し、有限会社カツミ工業が制作したハイドロボールや災害時に使用できる携帯トイレ「ぽけっトイレ」を委託販売しています。もともと、大学とお付き合いのあった企業様というわけではなく、SDGsサークルとして活動するなかで得たご縁になりますので、期待と信頼に応えられるよう今後も頑張りたいと思っています。
さらに、愛知県庁より「令和4年度 生物多様性とSDGs ユース会議」に招待いただき、SDGサークルの取り組みを発表しました。大学の学園祭への出展も行い、多くの人に私たちの活動を知ってもらう機会を作っています。私たちの活動は、SDGsの11番「住み続けられるまちづくりを」と14番「海の豊かさを守ろう」に該当します。ごみを拾って、その加工を行うことで、再利用やリサイクルに繋がる製品をつくっています。
Interviewer: なるほど、有限会社カツミ工業さんが作った製品を委託販売していると聞きましたが、その製品を作る過程について教えていただけますか?
磯野 教授: はい。最初にごみ拾いを行い、そのごみを加工して製品を作る部分を有限会社カツミ工業さんに依頼しています。そして、その製品は私たちの手に戻ってきて、再利用やリサイクルに繋がるように取り組んでいます。私たちは、企業とのコミットメントを大切にしており、製品作りのプロセスに積極的に参加しています。
SDGsを取り入れた成果と実際の変化について

Interviewer: 取り入れた後の成果と変化について教えてください。
旧部長:はい、先ほどもお話ししましたが、SDGs AICHI EXPOなどに参加したことで、変化がありました。特に、SDGsに関心のある市民や企業団体の方々が増え、SDGsについて一緒にコラボしようという声も増えてきました。また、活動を行っていく中で注目されるようになり、Instagramやラジオなどメディアにも取り上げられるようになりました。このような取り組みは、徐々に地域の注目を集めるようになってきています。具体的な例として、東海ラジオでの出演があります。4週にわたって出演する機会をいただきました。
Interviewer: 素晴らしいですね。SDGsに関心が高まる中、地域の注目も集めることができているということですね。
旧部長:はい、そうです。今後もSDGsに取り組みながら、地域の発展に貢献していきたいと思っています。
今後取り組むべき施策についての展望
Interviewer: 今後の施策について教えていただけますか?
新部長:先ほど、有限会社カツミ工業さんとの連携で、ハイドロボールとぽけっトイレの話をさせていただきましたが、新規プロジェクトとしてアクセサリー制作に着手します。具体的には、ビーチクリーン活動で拾ってきたプラスチックのごみを活用したアクセサリーです。プロジェクトを実現するべく、話し合いを進めている状況です。
Interviewer: なるほど、そのアクセサリー制作の話は興味深いですね。他にも施策があるのでしょうか?
新部長:はい、そうですね。静岡県牧之原市にある静波海岸にて、他大学との合同での清掃活動と合宿を行う予定になっております。今後も、大学生ならではの行動力を活かして積極的にSDGsの輪を広げようと考えております。