SDGs 大学プロジェクト × Keiai Univ.

敬愛大学の紹介

2024年春完成予定の新教育棟

1966年に開学した敬愛大学は、西郷隆盛の遺訓「敬天愛人(けいてんあいじん)」を建学の精神とし、千葉市稲毛区にキャンパスを有する私立大学です。「敬天愛人」は、社会や人との関係をより良くしていこうと志し、人としての生き方をともに探求する実践の教えです。

経済学部・国際学部・教育学部の3学部4学科の学びを展開し、地域の伴走者として、千葉県の抱える様々な課題の解決に貢献する人材を育成します。

SDGsに取り組まれたきっかけ

敬愛大学の建学の精神「敬天愛人」は、社会や人との関係をより良くしていこうと志し、人としての生き方をともに探求する実践の教えです。「敬天愛人」とSDGs は同じ未来を目指しており、自然に調和します。本学が「地域の伴走者」として歩み続けていくために、SDGs教育は重要であると考えています。

敬愛大学の母体である千葉敬愛学園は、2026年に創立100周年を迎えます。地域と共に歩む総合学園としての発展を目標として定めた「敬愛ビジョン2030」でも、教育研究等の活動を通してSDGsの達成に貢献することを掲げています。

▼「敬愛ビジョン2030」についてはこちら
敬愛ビジョン | 学校法人千葉敬愛学園

学生たちがSDGsに関する様々な取り組みに参加することで、社会や地域、人との関係に責任をもち、より良い未来を切り拓こうとする力が身につくと考えています。敬愛大学では、地域貢献・ボランティア活動など、学生が自ら考え選択し、主体的に行動することを全面的にサポートしています。また、学園全体でSDGs教育に取り組むための体制づくりを目指し、「敬愛SDGs未来プロジェクト」が発足しました。このプロジェクトでは、以下のことを実施します。

• SDGsの掲げる大きな目標を、学生にとって身近なものに変換しアイコン化する

• ESG投資について学ぶワークショップの実施

• 「敬愛SDGs集会」を開催し、地域や高等学校との連携を図る

• 企業や関係機関と学校をつないでSDGsプロジェクトを進めている講師を招聘

• 大学・短大・高等学校・幼稚園を含めた学園全体の教育方法を探究する

敬愛大学では、実践を通じてSDGsを学べるよう、3学部の教員が各学部の特性やシナジー効果を考え、教育方法を工夫しています。今回は、このプロジェクトの一環として行われた「敬愛SDGs集会」を紹介するとともに、各学部で行われているSDGs教育の一部をご紹介します。

SDGs施策の内容

【敬愛SDGs集会】

敬愛大学と敬愛短期大学、系列高校が、合同でSDGsについて学ぶ場です。2023年2月に開催された第1回には、敬愛大学と敬愛学園高等学校が参加しました。第1部の講演では、元ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏をお招きして、「ユネスコの持続可能な開発教育(ESD)と持続可能な開発目標(SDGs)」について学びました。ESDは、松浦氏がユネスコ事務局長の在任中に牽引していた取り組みで、その考えはSDGsに引き継がれ、一部となっています。世界各国の事情や利害を調整し、共同のゴールを策定する過程が、様々なエピソードとともに語られました。

第2部のポスターセッションでは、「敬愛SDGs未来プロジェクト」の成果発表が行われました。大学生と高校生がそれぞれの問題意識に基づいて探求したSDGs課題と、その解決策をポスターとオーラル・セッションで発表するものです。大学から21チーム、高校から5チームが参加しました。大学生の発表に対し、高校生や高校教員が積極的に質問をする姿が随所で見られました。

【各学部でのSDGs教育】

経済学部×ESG投資ワークショップ

東京証券取引所と日本証券業協会がCSRの枠組みで教育機関向けに提供している「株式学習ゲーム」をプラットフォームにした、SDGs銘柄への投資選択のグループワークです。東証プライム、スタンダード、グロース上場の株式、ETFを対象として、SDGsを積極的に採り入れて株価上昇に繋げている銘柄を選択し、疑似的に与えられた1千万円を投資していきます。グループごとにポートフォリオを組むワークを行い、最終のプレゼンテーションでは、外部の関係者にも出席していただいて講評を行います。

国際学部×アイコン・プロジェクト

学生が普段からSDGsの推進を意識しやすくするために、SDGsの掲げる大きな目標を、自身の小さな目標に落とし込む取り組みです。SDGsを身近に感じることができるシンプルな言葉やアイコンなどを募集し発表します。この取り組みは、教育学術新聞の特集「キャンパス万華鏡」のトップでも紹介いただきました。

▼教育学術新聞 2022年2月8日(2871号)3面についてはこちら
【新聞掲載情報】学生・大学の両側からSDGsに取り組む「アイコン・プロジェクト」(国際学部)

国際学部×ウクライナ支援活動

国際学部の高田ゼミのメンバーが中心となり、ウクライナ支援のためのチャリティーバザーを開催しました。2022年2月のウクライナ危機発生から受けた衝撃や、報道機関からもたらされる戦争の凄惨な写真を見るうちに、学生たちが自然にウクライナの人々への支援の気持ちを表したいと思ったのがきっかけです。敬愛大学の職員で、ウクライナからの避難民であるパンコーヴァ・オルガさんも応援に来てくれました。

▼ウクライナ支援のチャリティーバザーの様子についてはこちら
特設サイト「敬愛人」:ウクライナ支援のチャリティーバザーを開催

教育学部×合同ゼミ

1・2年生が合同で展開するゼミで、4人で構成した異学年混合グループによるProject Based Learning(PBL)を実施しています。身近なSDGs課題の解決に向けてグループで探究活動を行い、自分たちにできることを実行します。成果はパネルデイスカッション方式で発表します。学生たちが着目するテーマは、「LGBTQ」「SNSとこどものトラブル」「不登校の児童への支援」など、毎年様々です。

探究活動を始める前に、SDGs課題の解決に貢献する教育活動に取り組んだ方をお招きして話を聴くことで、課題に取り組みやすくなります。2023年度は、ブリタニカ・ジャパン株式会社代表取締役社長の須藤みゆき氏にお越しいただきました。幼児玩具のブロックで有名なレゴジャパン株式会社の代表として、プログラミング教育の道筋を拓いた方です。現在は経済産業省の「未来の教室」プロジェクトにも携わっています。

この他にも、様々なSDGs教育を展開しています。

▼敬愛大学とSDGsの学びについてはこちら
敬愛大学とSDGsの学び | 敬愛大学について

SDGsと学生とのつながりについて

SDGsは世界規模で発せられた「答えのない問い」であり、探究する学生たちはその問いに自分なりの解決策を導き出す必要があります。紹介したSDGsの取り組みは、敬愛大学の教育の特長である「学びのかたち」に基づいています。アクティブ・ラーニングを積極的に取り入れ、キャンパスの外や海外にもフィールドを拡げることで、新たな発見や視点を拓く方法が身につきます。また、各学部・学科の専門性に応じた知識・スキルを学び、実践の中で試します。実践することで生まれた新たな課題を解決するために、さらに知識・スキルを磨きます。学生たちはこの「学びのかたち」を通して試行錯誤を繰り返し、VUCA社会を生きる上で必須となる課題解決力を育んでいきます。

取り入れた後の成果・変化

「敬愛SDGs集会」は、高大接続の良い機会となり、SDGs教育推進の機運の高まりに大きく貢献しました。敬愛大学の学生たちは、SDGsにおける課題は自分たちの身近なところにあることに気づきました。探究してきたことの成果を多くの人に知ってもらうことができ、情報を的確に伝えるためのコミュニケーション・スキルも磨くことができました。敬愛学園高等学校の生徒は、大学での学びとSDGs課題との繋がりを知り、学部ごとにどのような探究テーマを扱っているのかなどについて理解が深まったようです。総合学園としての利点を活かし、大学と高校が連携して取り組みを実施することで、以下の図のようなメリットが期待されます。

今後の施策

「敬愛SDGs集会」の冒頭では、時代を経ても変わらない建学の精神「敬天愛人」と、「教育の敬愛」のあり方を大切にし、地域の伴走者として歩んでいくことの重要性が、中山幸夫学長から語られました。集会の定例化が決定し、2023年度からは千葉敬愛短期大学も参加する予定です。今後は敬愛学園高等学校以外の系列高校とも共同で実施していく可能性が高まりました。敬愛大学は、千葉市を中心とした地域教育の担い手として、今後もSDGsの目標達成に向けた取り組みを推進していきます。