
SDGs 大学プロジェクト × Osaka Shoin Women’s Univ. -Part 2-
目次
大阪樟蔭女子大学の紹介

大阪樟蔭女子大学は、1926年に設立された樟蔭女子専門学校を前身とし、戦後の学制改革により1949年に女子大学として開設されました。以来、時代の変化に対応しうる「高い知性と豊かな情操を兼ね備えた女性の育成」を目指して、女子教育に邁進してまいりました。
今後も社会の期待に応える大学であり続けるため、2017年に「美を通して社会に貢献する」大学として〝グランドデザイン2030 「美 Beautiful」” を発表しました。ここで示す「美」は,単に外見などの表面的な「美」を指すのではなく、知性・情操・品性の3つの側面における「美」を指しており、内面から醸し出されるような美しさ、教養に裏付けられ洗練された「美」を意図するものです。本学が推進する「美を高める学び」は、自分自身のあり方や考えをしっかり持ち、状況に応じて判断し行動するための価値軸に繋がる学びです。
「自律的な生き方ができる人」「『知恵』を身につけた人」「人間関係の要となる人」を育成するため、歴史と伝統を礎に、これからも“樟蔭”ならではの教育を展開してまいります。
フレイル予防への取り組みと「通いの場」復活への挑戦
― 本日は、井尻教授のゼミ生の方々が制作された「80GO(ハチマルゴー)(フレイル予防)かるた」についてお話をうかがいます。まず、「フレイル予防」とはどのようなものなのでしょうか?
「フレイル」とは、加齢に伴う心身の衰えを指します。昔は平均寿命が短く、現在のように高齢者の割合が高い社会ではありませんでした。しかし、現代の超高齢社会では、加齢と共に食欲が減退し、それに伴って筋肉量が減少し、活動が困難になるケースが増えています。その結果、痩せ細り、骨折や認知症を引き起こし、最終的に亡くなってしまうというフレイルのパターンが増えています。フレイルは、今や深刻な問題として注目されているのです。
私は大阪樟蔭女子大学で教員として勤務する一方で、クリニックの管理栄養士として患者様の栄養食事指導も行っています。以前は「これを食べることを控えましょう」といった食事制限を促す指導が主流でしたが、最近では「もっと食べましょう」という指導にシフトするなど、患者様の健康状態やニーズの変化から、私自身もフレイル予防に強い関心を抱くようになりました。
10年前からフレイルに関する研究に取り組んでいますが、近年のコロナ禍がその状況をさらに悪化させました。多くの高齢者が集まって会話や将棋、体操などを楽しんでいた「通いの場」が閉鎖された結果、多くの患者様の元気もなくなってしまったのです。
その状況を目の当たりにし、「通いの場を復活させなければ」と強く感じました。しかし、高齢者は特にコロナに感染するリスクが高いため、従来の形に戻すことは簡単ではありません。それでも何かできることはないかと、当研究室のゼミ生たちとともに、2021年からコロナフレイル対策としてさまざまな取り組みを始めました。
― コロナフレイル対策として、具体的にどのような取り組みを行われたのでしょうか?
コロナ禍では、感染への不安がある中でも、多くの方々が交流やつながりを求めていました。しかし、当時はその機会が非常に限られていたため、私たちはまず、安全に交流できる場を提供することを目指しました。そこで、地域包括支援センターにご協力いただき、さまざまな取り組みを実施しました。
例えば、屋外で昔遊びを楽しむイベントを開催し、参加者同士の交流を促しました。当日、参加者には使い捨てカメラ「写ルンです」を配布し、写真を撮影していただきました。撮影した写真はアルバムとして後日郵送し、思い出に残る経験と繋がりを深める機会を提供しました。
さらに、学生と高齢者が一緒にZoomの使い方を学ぶセミナーや、口腔機能低下に関するセミナーなど、オンラインツールを活用した活動にも力を入れました。また、障がい者スポーツのボッチャ大会や、旅行の疑似体験イベントなど、体を動かすアクティビティを通じて、参加者同士の交流を深めました。
私たちは、これらの活動を通じて「通いの場」を復活させるために、何ができるかを常に考え、試行錯誤を重ねてきました。現在も、人々のつながりを広げるための取り組みを続けています。

― 大学とはどのように連携していますか?
本学は「イキ×ラボ・チャレンジプロジェクト」という、学生が地域課題の解決に挑戦する取り組みを継続して行っています。このプロジェクトは、学生が独自のアイデアを提案し、採択されると大学から資金援助を受けることができるというものです。
▼ 詳しくはこちら イキ×ラボ・チャレンジプロジェクトについて (osaka-shoin.ac.jp)
私たちが取り組んでいる「Re:Shoin きずなとれいる」の活動も、このプロジェクトの一環として行われています。この活動では、コロナフレイル対策を目的としており、必要な備品の購入や交通費などに資金を有効に活用しながら、地域貢献活動を進めています。日々、学生達がいきいき活動できているのは、イキチャレ支援があるからであり、関係者の皆様には感謝しかありません。
また、この活動は2021年から継続しており、今年度で4年目を迎えます。これまでに3年連続で学長賞を受賞しており、今年もぜひ受賞を目指したいですね。
ゼミ生のパワーと連携で広がる「80GO(フレイル予防)かるた」の活動
― 「80GO(フレイル予防)かるた」のアイデアが生まれ、実際に制作に至った経緯を教えてください。
「イキ×ラボ・チャレンジプロジェクト」に採用されると、年間で最低3つの企画を立ち上げることが求められます。しかし、すべて同じ方向性では面白みに欠けると考えた私たちは、多様な企画を展開しようと異なるアプローチを模索していました。
そのような中で、私がふと「かるた」のアイデアを出したことがきっかけとなり、プロジェクトが本格的に動き始めました。学生たちは川柳を考え、試作品を作成したところ、全員のイメージが一致し、「これならできるかも」という確信が得られたのです。
そこからは、川柳のブラッシュアップ、取り札のデザイン作成など、学生たちは約1週間という短期間でプロジェクトを大きく前進させました。私が手配した白紙のかるた札に川柳を合わせ、最終的には箱まで制作し、本格的なかるたが完成しました。
かるたが完成した後は、実際に使う場面を想定し、使い方の説明資料も作成しました。こうして、企画から制作、そして使用方法の考案まで、学生たちの手によって「80GO(フレイル予防)かるた」が完成したのです。
― 井尻教授のゼミには、行動力に溢れた学生の方が多いのですね。
そうですね。私のゼミには、積極的に活動したいという学生が多く集まります。本学科には1学年あたり約160人の学生が在籍しており、ゼミは20ほどにわかれています。ゼミの配属は学生の投票によって決まるのですが、私のゼミは年間を通して活動が非常に活発であり、それを理解した上で志望してきてくれる学生ばかりです。そのため、新しい企画や活動にも非常に前向きに取り組んでくれています。
さらに、ゼミに入る学生は年々パワーアップしており、その行動力には驚かされます。例えば、「80GO(フレイル予防)かるた」の完成までのスピードは非常に早く、完成後は私がコネクションを持っている施設にかるたを導入する交渉を行ったり、大学を通じてプレスリリースを発信してテレビ局の取材を受けるなど、活動の幅を広げています。
楽しみながら学ぶ健康の秘訣!「80GO(フレイル予防)かるた」の魅力と活用法
― 「80GO(フレイル予防)かるた」の企画からこれまでで、特に苦労されたことや印象に残っている出来事はありますか?
まず、予想以上にかるたが受け入れられ、盛り上がりを見せたことに驚きを感じました。これには、特に「競争する」という要素が大きな役割を果たしたと考えています。元気な参加者が競争心を刺激され、真剣に楽しんでいたことが、盛り上がりにつながった要因の一つだと思っています。
一方で、制作自体は順調に進んだものの、実際に使用してみると、対象者や遊び方に工夫が必要なことがわかりました。例えば、一際元気な高齢者の方が札を次々に取ってしまい、他の参加者が楽しめなくなる場面がありました。また、会場によってはマイク設備が不十分で、読み札が聞き取りづらく、遊びにくさを感じる参加者もいたため、これらの点には配慮が必要です。
うまくいった点としては、参加者同士が仲良くなることを重視し、アイスブレイクを取り入れたことが挙げられます。チームメンバーが自己紹介を通じてお互いを知ることで、自然と打ち解けやすくなるよう工夫しました。
私たちの活動のポイントは、参加者同士のつながりを築くことです。その日限りの交流で終わるのではなく、仲間とのつながりが次回の「通いの場」への参加を促すような継続的な関係を構築することを目指しています。
また、コロナ対策として用意した「とり棒」も好評でした。最初は接触を避けるための工夫でしたが、結果として遠くの札も取りやすくなり、大きなテーブルでも座ったまま遊ぶことができました。さらに、遊びの途中で「とり棒」が前に出すぎた際、司会が「みなさん、棒が出ていますよ!今は胸に当ててくださいね」と声をかけると場が和み、皆さんの笑顔が見られるような効果もありましたね。


― かるたの内容や特徴についても詳しく教えてください。
「80GO(フレイル予防)かるた」の札には、栄養、運動、社会との繋がり、認知症予防などのテーマが盛り込まれています。例えば、ある介護予防教室で「今日は認知症予防について話したい」と思ったとき、このかるたが役立ちます。
かるたを楽しみながら、栄養や運動、社会との繋がりについて触れ、認知症に関連する札が読まれた際には、一度ゲームを止めて解説を加えることで、自然に話題を広げることができます。これがこのかるたの大きな魅力の一つです。
例えば、「スクワット ひざを出さずに お尻出す」という札が読まれた場合、「みんなで一緒にやってみましょう」と呼びかけ、その場でスクワットの実践を促すことができます。また、「メロディに 合わせて歌おう 歌謡曲」という札では、参加者と一緒に坂本九さんの歌を歌ったり、自然とアクティビティを取り入れることができます。
このように「80GO(フレイル予防)かるた」は、楽しく知識を伝えるための工夫が施されています。参加者は、かるたを通じて栄養や運動、社会との繋がりについて学ぶことができ、充実した時間を過ごすことができる点が、このかるたの大きな特徴です。
クラウドファンディングがもたらす新たな挑戦と可能性
― 2024年8月からは、「80GO(フレイル予防)かるた」を拡めるためにクラウドファンディングを始められています。こちらの経緯について教えてください。
かるたの完成後は、地域の方々から「かるたを買いたい」という多くの声が寄せられ、出版の可能性を模索しました。4社ほどの出版社に相談しましたが、ニーズの見通しが立てづらく、コストが高くなることから販売価格が膨らみ、採算が合わないなど、このままでは販売は難しいと感じ、とても苦しい思いをしました。
そんな中、あるイベントで参加者の方から「かるたを買いたいんだけど、どうしたらいいの?」という質問を受けました。「いくつかの出版社に問い合わせたのですが、まだ販売には至っていないんですよ」とお答えしたところ、その方が「それなら、クラウドファンディングをやったらええねん!」とアドバイスをくださったのです。
それまで、クラウドファンディングを支援者として一度経験したことがある程度でしたが、この機会をきっかけに、本格的に取り組むことを決意しました。
▼ 詳しくはこちら 通いの場で大反響!女子大生が創った『80GO(フレイル予防)かるた』を拡めたい! (CAMPFIRE)
― クラウドファンディングに対する周囲の反応はいかがですか?
クラウドファンディングの話が持ち上がった時点で、かるたを制作した学生たちはすでに卒業してから約1年半が経っていました。そのため、私が中心となってプロジェクトを進めましたが、クラウドファンディングを開始してわずか5日でファーストゴールを達成するほど、多くの応援をいただきました。
この成果を卒業生たちに報告したところ、ゼミの一環で取り組んだプロジェクトがこれほど大きな成果を上げていることに、みんな非常に喜んでくれました。当時はひたすら一生懸命に取り組んでいたことが、今になってその活動の意義を実感してくれたようです。
私は、学生たちが社会に根ざした取り組みを行い、その成果をプレスリリースやメディアを通じて広く発信することが極めて重要であると考えています。こうした活動を社会に発信することで、学生は自分たちの活動に対する大きな達成感を得られます。そして、彼らの努力をしっかりと形にする道筋をつくることが、大学教職員に求められている役割だと強く感じています。
▼ 詳しくはこちら 大阪樟蔭女子大学 健康栄養学科 学生有志が地域高齢者への取組みを行う中で考案した『80GO(フレイル予防)かるた』、地域の方々の声をうけ、購入型クラウドファンディングに挑戦。 (DAIGAKU PRESS CENTER)
実は、クラウドファンディングに挑戦する前は、これほどの成果が得られるとは想像していませんでした。しかし、実際に取り組んでみると、この試みが学生たちの努力を無駄にしないものであったと強く感じています。
学生たちの達成感を高め、大学の満足度向上に寄与するだけでなく、さらには地域社会の活性化にもつながり、非常に意義深い取り組みになりました。
― 実際にクラウドファンディングに挑戦されてから、井尻教授ご自身や関係者の方々に何か変化や気づきはありましたか?
私はもちろん私以外の関係者も、これほど多くの応援をいただいたことに驚いています。同時に、しっかりとした思いを持ち、社会貢献につながる明確な根拠があれば、かるた以外のプロジェクトでも同様の挑戦が可能であると感じています。
ただし、目的は決してお金儲けではありません。活動を進める際には、しっかりとした思いと、その活動の意義を明確にすることが大切です。その上で、どんどん挑戦していくべきだと考えています。また、この考えは学内だけでなく、広く社会にも適用できると思います。これまでは、社会貢献をしたくても「資金がない」という理由で諦めてしまったり、銀行からの融資に頼らざるを得ない状況がありました。
しかし、クラウドファンディングを活用すれば、例えば「管理栄養士が作る宅配専門のお弁当屋さんを開きたい」等という思いを社会に訴えかけることで、応援してくれる方が現れるかもしれません。そうした支援を得ることで、夢の実現に一歩近づきます。そして、その活動が軌道に乗れば、やがて運営も安定することでしょう。
このように、クラウドファンディングを通じて社会貢献の活動が広がっていけば、素晴らしいことだと思っています。
地域におけるこれからの管理栄養士の役割とは
― 「Re:Shoin きずなとれいる」での取り組みを通じて、学生の方々にはどのような変化が見られましたか?学んだことや身につけたスキル、成長を感じるポイントを教えてください。
学生たちには、先を見越して計画を立てる力や、それをやり遂げる力が身についてきました。もともと、私のゼミ生はとても元気で行動力のある学生が多いのですが、今では一歩先、さらにその先を見越して、「誰に何を伝えたいのか」「いつまでに何をしておくべきか」を意識して行動できるようになりました。

例えば、地域活動を行った後、そのまま終わらせるのではなく、次の成果やイベントにどうつなげるかを考える力が養われています。これは社会に出たとき非常に重要なスキルであり、学生たちはその点で大きく成長していると感じます。さらに、学生たちはガッツも身につけています。行動力がどんどん増し、時にはそのエネルギーの大きさに驚かされるほど、前向きに取り組んでいます。
また、私が常に考えているのは、「地域における管理栄養士の役割」です。管理栄養士が病院やクリニック内にとどまるだけではもったいない、”地域の財産となれる人材”になるべきだと考えています。そのため、私のゼミでは高齢者支援を中心に、多世代との交流も行っています。
昨年は約250人が参加する地域の祭りに参加し、盆踊り大会とビンゴ大会を企画しました。子どもから親世代、高齢者までが交流できる場を提供し、多世代交流を通じて、社会に出た後もさまざまな世代とコミュニケーションを取るスキルを養うことで、卒業後に地域で活躍できる力を育てることを応援しています。

― コロナ禍を経て、今後さらに進む超高齢社会において、「健康寿命」や「社会とのつながり」はますます重要になると思います。これからの若い世代に挑戦してほしいことや伝えたいメッセージはありますか?
まずは、高齢者が集まる「通いの場」に積極的に参加させていただくことです。多くの若い世代は「うまくいかなかったらどうしよう」「失敗したらどうしよう」と不安を感じるかもしれませんが、その不安に負けず、一歩踏み出して実際に参加することが大切です。
もう一つ大切なことは、「人生の大先輩である高齢者の方々から多くを学ばせていただきたい」という姿勢で臨むことです。「何か教えてあげよう」という気持ちで接しても良いものは提供できませんし、自分自身も学びの機会を逃すことになります。
私自身、普段の栄養食事指導において、人生経験が豊富な方々に話をすることが多いのですが、「何かを教えなくては」という気持ちで臨むと、空回りしてしまったり、場合によっては相手を傷つけてしまうこともあります。逆に、「今日も学ばせていただこう」という姿勢で接することで、学びの機会が増え、高齢者ならではの楽しみや悩みも理解しやすくなります。
まずは高齢者をよく理解し、親しみを持って接する中で学ぶことが大切です。その上で、さまざまなことに積極的にチャレンジすることを願っています。
今後の展望
― 「80GO(フレイル予防)かるた」に限らず、今後注力したいことや、現在取り組んでいるがさらに深めたいことについて、今後の展望や目標を教えてください。
フレイル予防に関しては、まだまだやりたいこと、やれることがたくさんあります。学生たちには、管理栄養士の資格を持っていることに満足するのではなく、栄養だけでなく人との繋がりや運動など、総合的に相談していただけるような社会的処方の視点を持つ管理栄養士を目指してほしいと考えています。
現在、特に注力しているのは、コロナ禍で一時的に中断されていた「通いの場」の復活です。最近では、徐々に従来の活動が再開されつつあり、「こんなイベントをやりますよ」と呼びかけると、以前のように集まってくださる方々が増えてきています。
しかし、最近特に注目しているのは、呼びかけても参加できない人たちです。どの地域にもそうした人たちは多く、結果として孤独や孤立に陥り、フレイルが進行してしまう現状があります。これは社会の大きな課題となっており、今後は活動に参加できない方々とのつながりを強化することが重要になると考えています。
2024年4月には、孤独・孤立対策推進法が施行されました。高齢者が一人で過ごし、社会とのつながりがないことで弱ってしまう現状を踏まえ、みんなで何かしらの対策を講じる必要があります。この法律を受け、私たちも孤独・孤立対策に力を入れていきたいとあらためて考えています。
最近実現した取り組みの一つに、孤独・孤立対策のための家庭訪問があります。通常は地域の民生委員の方が高齢者宅を訪問していますが、親密な交流にはなりづらいという課題があります。これを改善するため、学生が民生委員の方と一緒に約25軒の高齢者宅を訪問しました。
当初、民生委員の方々は女子大生の訪問は嫌がられるのではないかと心配されていましたが、やってみると非常に喜んでいただけました。訪問時には手作りのジャムやお手玉、折り紙をいただくなど、非常に温かく迎えてくれたのです。
さらに、次のボウリング大会にお誘いすると、実際に参加してくださった方もいらっしゃいました。その方は「コロナの影響で体調が悪く、ずっと外出していなかったが、ふみちゃん(学生)が誘ってくれたので行ってみようと思った」と話してくださいました。
ボウリング大会ではチームメイトと一緒に優勝し、「何年ぶりかに、こんなに楽しい時間を過ごせた」と涙を流して喜んでくださったのです。チームの方々との繋がりによって、次の通いの場へも積極的に参加して下さっています。このエピソードは、現在、私が最も注力したい取り組みの理想的なかたちです。
今後も、社会参加が難しい高齢者の方々にどのようにアプローチするかをさらに深く考え、具体的な取り組みを進めていきたいと考えています。