仏壇の前で手を合わせる

お仏壇のお引っ越し!お布施の相場は?【供養の流れ〜注意点】

ご先祖様を祀ったお仏壇は、とても神聖なものです。大きくて動かす機会もなかなかありませんし、引っ越しを気に初めて動かすという方が多いのではないでしょうか。

お仏壇は神棚同様、家にある大切な仏具です。動かす際にはきちんと供養をし、大切に取り扱わなくてはいけません。

<この記事で分かること>

  • お仏壇の引っ越し方法
  • 供養の手順やお布施

お仏壇について実はあまりよく知らないという方の為にも、分かりやすく解説していきます。

お仏壇とは

仏壇の中のお釈迦様像

お仏壇は仏像とご先祖様の御位牌があって、お線香を上げる場所…といったイメージを持たれている方が多いと思いますが、本来お仏壇ってどんなものなのかご存知でしょうか?

お仏壇は、各家の信仰の対象となるご本尊(お仏像様)を祀り、供養するための場所です。つまりお仏壇とは、いわば家の中にある、お寺の出張所なのです。

そして、そのお仏壇の中に、ご先祖様のご位牌も安置し供養するようになったのが今のお仏壇のかたちです。

ご先祖様を供養し、故人と対話する大切な場所として、残されているのですね。

仏壇の引っ越し 一連の流れ

お仏壇はお寺のミニチュア版、と言われるだけあり、お引っ越しの際には法要が必要になります。知らずに家財と一緒に引っ越ししてしまったら大変です。

引っ越しの手順を詳しくご説明致します。

菩提寺にお仏壇の引っ越しをする旨を伝える

まずは菩提寺に、引っ越しに伴いお仏壇を動かす必要がある旨を伝えましょう。このあとご説明する引っ越し関連の供養、閉眼供養と開眼供養日の相談もこの時にお願いしてしまうと良いですね。お坊さんのスケジュールの関係も考慮し、引っ越し予定日の1ヶ月前までには連絡しましょう。

菩提寺が遠方にある場合や、遠方に引越す場合は、まず電話やメールで相談し、家の近くに同じ宗派の寺院やお坊さんがいないか、いるなら紹介してもらえるかを尋ねます。

紹介してもらったら、そちらの僧侶と供養の相談をしてください。

菩提寺がわからない場合は…

菩提寺と既に関わりが薄く、どこが菩提寺なのかわからないという方は、宗派の確認から始めましょう。親戚に聞いてみたり、親族の葬儀で頼んだお寺を調べたりすると簡単にわかります。

宗派がわかったら、同じ宗派のお寺が近くにないか探してみましょう。

もし、親戚に聞いたりしても宗派がわからなかった場合は、お仏壇から宗派を特定することもできます。宗派によって祀るご本尊、脇侍(わきじ…ご本尊の左右に祀る仏像や掛け軸の事。)が異なりますので、そこが大きな手掛かりとなります。

宗派毎のお仏壇の違いは以下の通りです。参考にしてください。

天台宗

ご本尊として釈迦如来を祀る天台宗ですが、仏壇のご本尊には阿弥陀如来が祀られてある事が多いです。脇侍は向かって右に天台大師、智顗の御影像(掛け軸に絵で描かれた仏像)、左に伝教大師、最澄の御影像が配置されています。

真言宗

ご本尊として大日如来を安置します。脇侍は向かって右に弘法大師、空海の御影像、左に不動明王の御影像が配置されています。

浄土宗

ご本尊として阿弥陀如来を安置します。天台宗と違い、舟形の後光が差している立像を祀っている事が多いです。脇侍は向かって右に善導大師の御影像、左に法然上人の御影像が配置されます。

または、ご本尊の代わりに南無阿弥陀仏と書かれた掛け軸を、その左右に観世音菩薩と勢至菩薩の仏像が祀られている場合もあります。

浄土真宗(大谷派・本願寺派)

ご本尊として阿弥陀如来の御影像を安置します。48本ある後光の線のうち、6本が頭部から出ている場合は浄土真宗大谷派、8本が頭部から出ている場合は浄土真宗本願寺派です。

脇侍は向かって右に親鸞聖人の御影像または「帰命尽十方無碍光如来」の掛け軸、左に蓮如上人の御影像または「南無不可思議光如来」の掛け軸が配置されます。

また、大谷派は亀の背中に鶴がのった鶴亀燭台を使う事が多いです。

臨済宗

臨済宗は釈迦牟尼仏を信仰の中心としておりますが、これといって定められたご本尊がなく、お寺によって阿弥陀仏、大日如来、観世音菩薩…など様々なご本尊を祀っています。

そのため、お仏壇のご本尊も菩提寺に合わせたものを用意してある事が多いです。

脇侍は向かって右に承陽大師、道元の御影像、左に常済大師、瑩山の御影像が配置される事が多いので、こちらで判別してください。

曹洞宗

ご本尊として釈迦牟尼仏の座像を安置します。脇侍は向かって右に承陽大師、道元の御影像、左に常済大師、瑩山の御影像が配置されます。

また、仏像の代わりに「一物両祖」と呼ばれる釈迦牟尼仏と道元、瑩山が描かれた掛け軸をご本尊として祀る場合もあります。

日蓮宗

ご本尊として大曼荼羅をまつります。大曼荼羅とは、掛け軸のようなもので、真ん中に「南無妙法蓮華経」と書かれ、その周りに「十界」と言われる菩薩や如来、弟子などの名を梵字や絵で記したものです。脇侍は向かって右に鬼子母神の御影像を、左に大黒天の御影像が配置されます。ただし、関東ではその逆となります。

以上がお仏壇から宗派を確認する方法です。菩提寺がわからない方は参考にしてみてください。

閉眼供養(魂抜き)を行う

お仏壇の引っ越し前に、仏様の魂を抜き取る「魂抜き」の供養をします。そうする事でお仏壇やご本尊から魂が抜け、お仏壇が一時的にただの箱になるので移動しても罰当たりでなくなるのです。

宗派や地方によっては、魂を抜くという考えでなく仏様の目を閉じる、という意味から閉眼供養と呼ぶ場合もあります。

浄土真宗では、他の仏教の教えと異なり、魂が仏壇に入っているとは考えません。そのため、「遷座法要」または「遷仏法要」と呼びます。

宗派により法要の呼び方は違くても、引っ越しの際の供養はどの宗派でも必要と考えられています。

六曜を気にされる方は、仏滅に供養していただくのがおすすめですが、法事とは異なりますので、そこまで気にされない方が多い印象です。

引っ越しのスケジュールに合わせて調整しましょう。

閉眼供養(魂抜き)で必要なものリスト

閉眼供養で使う仏具はお仏壇の中に揃っているので、改めてなにか用意する必要はございません。ロウソクやお線香などの消耗品が切れていないか確認し、仏花を飾り座布団を用意しておきましょう。

供養が終わったら、お坊さんにお布施とお車代をお渡しします。お布施とは、お坊さんにお渡しする謝礼のことです。お布施の相場と渡し方のマナーは後述致しますので、そちらを参考にしてみてください。

以下、必要なものリストです。

  • おりん
  • 木魚
  • 香炉立て
  • ロウソク・ロウソク台
  • お線香
  • 仏花
  • 座布団(お坊さん用)
  • お布施・お車代

仏具の梱包

供養が終わったら、仏具の梱包に取り掛かりましょう。梱包の前に、仏壇の全体写真を撮ることをおすすめします。何故なら、仏具を取り出してしまうと、どの仏具がどの場所にあったのかわからなくなってしまう、というトラブルが起きがちだからです。

写真を撮ったら仏具を全て取り出します。仏壇の中や仏具は金箔や漆など、高級で繊細な材質で作られたものが多いので、綺麗な手袋をして作業すると良いでしょう。

仏具をぶつけて傷つけないように気をつけながら取り出し、汚れを軽くクロスで拭き取ってから、新聞紙などでくるみます。

仏具は細かなものが多いので、無くさないよう、一つの箱などにまとめておくと安心です。

仏壇の最奥にあるご本尊と御位牌、個人の遺影は手で運ぶことが推奨されています。可能であれば、丈夫な紙袋などに入れて他の仏具とは別に分けておき、引っ越し当日、自らの手で新居に運び入れましょう。

仏壇のお引っ越し

いよいよ仏壇のお引っ越しです。お仏壇は大きくて重いので、自分で運ぶのはなかなか大変です。漆塗りや金箔加工などされているものなら、 少し擦っただけで傷になってしまいます。

自力での引っ越しを考えている方は、柔らかい布などで包み、その上からさらにダンボールで覆ってから慎重に運びましょう。

引っ越し業者にお願いする場合は、事前の見積もり時に伝えておきましょう。見事な装飾が施されているものの場合は美術品扱いになり、追加料金がかかる場合もあります。

仏壇専門店に仏壇の引っ越しを依頼する事も可能です。少し割高ですが、梱包から運搬、仏具の設置までがサービスなので安心です。

業者に頼む場合の費用の相場は後述致しますので、そちらを参考にしてみてください。

搬出・搬入の順番

引っ越し当日、仏壇を搬出するタイミングですが、なるべく他の家財を運び終えた後、最後に運び出すのが好ましいと入れています。

ご供養したとはいえ、仏様やご先祖様を祀る大切な仏壇をトラックに放置しておくのが失礼だという考えから始まった風習だそうです。同じ理由から、搬入の際は一番最初に新居に運び入れるのが良いとされています。

宗派によっても様々な考え方があるので、閉眼供養の際にお坊さんに相談しておくと安心です。

開眼供養(魂入れ)を行う

新居に仏壇を設置したら、いよいよ開眼供養(魂入れ)を行います。開眼供養も閉眼供養と同じお坊さんにお願いできると良いですが、遠方で難しい場合は、紹介してもらった近場のお寺に相談して供養をしてもらいましょう。

開眼供養は仏様やご先祖様を新居に移した仏壇に迎える大切な儀式です。ご先祖様が迷わず帰って来られるよう、真心を込めて準備しましょう。

開眼供養は故人や仏様と繋がる事ができる、という事から慶事のひとつとされています。そのため、正式には朱ロウソクを用意し、炊き立てのご飯や果物などの御供物を用意するのが好ましいとされています。

しかし、引っ越し直後の忙しい時に、ご飯を炊いたりする事が難しい事などから、近年ではお供物は簡略化される場合も多いようです。

宗派によっても異なりますが、一般的に供養は以下のような流れとなります。

  1. 炊き立てのご飯を仏器に盛り付ける。
  2. 朱ロウソクを灯し仏花を飾る。
  3. お仏壇にお供えする料理を仏膳によそい、お箸を置く。
  4. 高月に果物や故人・ご先祖様の好物をお供えする。
  5. 僧侶を呼び、読経してもらう。

開眼供養必要なものリスト

開眼供養も閉眼供養同様、おりんや香炉などの仏具を使いますが、仏壇に用意されているもので大丈夫です。朱ロウソクを灯す場合は、仏具店で購入しましょう。

  • お供物
  • おりん
  • 木魚
  • 香炉立て
  • 朱ロウソク・ロウソク台
  • お線香
  • 仏花
  • 座布団(お坊さん用)
  • お布施・お車代
電気の引っ越し手続き

引っ越しを機に仏壇を買い替えたい場合

考える男性

年季の入った仏壇をお使いの場合や、今まで使っていた仏壇が新居に入らないなどの理由で買い替えを検討している方もいらっしゃるかと思います。

確かに普段動かす機会のない仏壇を運び出すので、引っ越しは買い替えの大きなチャンスです。

買い換えを検討する場合は、まず新居での仏壇の設置場所を決め、欲しいデザインのイメージや大きさを決めてしまいましょう。設置場所としては、自分より低い場所にならないように気をつけます。ご本尊や御位牌を見下さないように、と考えておきましょう。また、この時にドアや廊下など、搬入経路の幅も確認しておきましょう。なんとなくイメージが固まったら、お仏壇店でイメージやサイズの希望を伝え、現物を見て購入するのがおすすめです。

お仏壇店で購入すると、今まで使っていた仏壇を引き取ってもらえるケースが多いです。不要になったお仏壇は供養しお焚き上げしてもらえるので安心ですね。

通販サイトで購入する場合は…

お仏壇のお店は敷居が高くて入りづらい…という方は、通販サイトで購入する事もできます。ただし、何十年も使う大きな仏壇を現物を見ずに購入するのはかなり難しいです。

そのため、通販サイトではコンパクトな仏壇やモダンでシンプルな仏壇など、従来のどっしりした仏壇とは違ったタイプのものが人気のようですね。

せっかく買い換えるなら、ライフスタイルに合わせて、思い切った決断をするもアイディアのひとつです。

買い替え前の供養は必要

新しい仏壇を購入したら、新居に届けてもらいましょう。

その場合の引っ越しの手順としては、

  1. 古い仏壇の閉眼供養
  2. 仏具の梱包
  3. ご本尊・御位牌の取り出し
  4. 古い仏壇の処分
  5. 新しい仏壇の開眼供養

となります。

買い換える場合も、古い仏壇を処分するための閉眼供養新しい仏壇に魂を入れるための開眼供養は必ず行いましょう。

処分する場合は…

仕事の都合で引っ越しの機会が多かったり、新居に仏間がなかったりと住環境が変わった事で、どうしても仏壇を置く場所がなくなってしまい処分したい…というお悩みをお持ちの方も近年増えてきています。

仏壇を処分する場合の流れとしては、閉眼供養をし、お焚き上げしてもらうのが一般的ですので、まずは菩提寺に相談すると良いでしょう。お布施の相場はお仏壇の大きさにとよりますが、10,000円〜80,000円程と言われています。

菩提寺がわからなかったり疎遠で頼みづらいという場合は、お仏壇・仏具店に相談するという方法もあります。例えば業界最大手お仏壇のはせがわでは、20,000円〜80,000円で引き取り後、供養・お焚き上げをしています。

自治体の不用品回収として処分する事が出来る地域もありますが、代々大切にしてきたお仏壇を粗大ゴミと一緒に埋め立てられる…というのはあまりよろしくないと思われます。真心を込めて供養をし、手放す方法を選べると良いですね。

仏壇の引っ越し、かかる費用は?

ここまでお仏壇の引っ越し手順についてご説明致しました。お仏壇の供養のために、お坊さんに直接来て頂いて供養してもらう必要があるんですね。

ここからはお坊さんにお渡しするお布施の相場や引っ越し業者に払う費用など、実際にかかる費用についてご説明致します。

お布施・お車代の相場と渡し方のマナー

先述したとおり、お仏壇の引っ越しにあたり必要な一連の供養をお坊さんにお願いした場合、お布施とお車代をお渡しするのがマナーです。

お布施は大きなお寺であったり、現代化が進んでいるお寺だと、法要の費用を案内してあるパンフレットの用意がある場合もありますので、お坊さんに直接聞いても構いません。しかし、明確な金額を提示していないお寺だと、相談しても「お気持ちで…」と答えられてしまいます。

この場合は、1〜3万円を包むのが相場と言われています。4万円は死を連想させるので、避ける決まりとなっています。新札かシワのない綺麗なお札を用意しましょう。少額の新札は銀行の両替機で簡単に交換できます。

お布施は、白地の無地封筒(郵便番号を書く欄がないもの)の表面真ん中に黒の筆ペンで「お布施」と書いたものに入れてお渡しします。あらかじめお布施と印刷されている封筒でも構いません。コンビニや文具店、仏具店などで売っています。

封筒の裏面に、氏名・住所・お布施の金額を記入します。金額は壱萬圓、弐萬圓、参萬圓というように、旧字の漢数字を用いて記入しましょう。1万円を包む場合は「金壱萬圓也」と記入します。

お札の向きは、封筒の表面、「お布施」と書いてある方にお札の肖像画が来るよう入れます。

お車代は5,000〜1万円を包みます。お布施とは別の封筒を用意しましょう。お布施同様の白無地封筒を用意し、表面にはお車代と書きます。裏面もお布施同様の記述をしてください。

お坊さんにお布施、お車代をお渡しする際のマナーとして、手渡しで渡してはいけないというルールがあります。切手盆や台付き袱紗(ふくさ)と言われる風呂敷包みに切手盆がくっついているものに乗せてお渡ししましょう

お布施を渡すタイミングは、読経が終わった後が良いとされています。法要が終わりましたよ、と言われたら、お布施とお車代を切手盆に載せ、お渡ししましょう。

引っ越し業者に払う費用

引っ越し業者にお仏壇を運んでもらう場合は、コワレモノとして運んでもらうケースと美術品として運んでもらうケースとで費用が変わってきます。

コワレモノとして他の家財と一緒に運搬してもらう場合はオプション料金はかかりません。品として特別に運んでもらう場合は1〜2万円のオプション料金がかかります。

お仏壇の大きさにもよりますが、大きめのお仏壇の場合は万が一の時の補償問題も考え、美術品として運んでもらう方が安心かもしれません。

また、仏壇専門店でも移送サービスを行っています。例えば、大手チェーン店、お仏壇の長谷川では11,000円〜移送サービスを提供しています。

購入元のお仏壇店がわかる場合は、相談してみるのもおすすめです。

電気の引っ越し手続き

引っ越し時のライフライン手続きはでんきガス.netがおすすめ

我が家を見守る大切なお仏壇。今までの感謝を込めて、またこれからの生活への期待を抱いて、引っ越し前にお仏壇と向き合う時間をもつのも良いですね。ご先祖様も喜んでくれるでしょう。

また、引っ越しにはライフラインの手続きも必要です。面倒な電気やガス・インターネットの手続きにはでんきガス.netがおすすめです。ライフライン手続きを一括手配できるので、お電話一本で手続きが完了します。引越しの負担を軽くしたい方はぜひ利用してみてくださいね。

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